前立腺針生検について

泌尿器科医が関わる最も多い疾患の一つ前立腺がんを挙げることができます。

日本において前立腺がんは最も増加しているがんの一つです。前立腺がんは、2010年の時点で男性における臓器別がんの罹患数では第4位ですが、2020年以降1位になると予想されています。この増加の原因として、1)日本人の高年齢化、2)食生活の欧米化、3)PSA検査(採血)の普及、等が考えられます。前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA検査によって、症状があらわれていない早期の前立腺がんの発見が可能になり、この段階で治療を行うとほぼ完治が期待できます。

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前立腺は骨盤の底にあるクルミ大の臓器で、膀胱の出口に存在し、尿道が前立腺の中央を貫いています。前立腺で精液の一部を作っています。

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採血においてPSAという値が高い場合、前立腺にがんがある可能性があります。がんがあるかどうかをはっきりさせるため経直腸的前立腺針生検という検査を行います。これは細い超音波(エコー)機器を肛門から挿入し、エコー画像を見ながら専用の針を用いて12か所程度前立腺の組織を採取する検査です。

前立腺針生検を病院で行う場合、数日の入院を求められることが多く、またクリニックで行う場合、無麻酔(痛み止めのゼリーを肛門内に注入するのみ)で施行する施設も多いです。

当院では、日帰りで、麻酔(仙骨硬膜外麻酔)をかけて行います。

仙骨硬膜外麻酔は、お尻の割れ目の少し上(頭側)から注射針を入れて、硬膜外腔という場所に麻酔薬を注射することにより、尿道や肛門付近の痛みを抑えます。血圧が下がったり、呼吸が困難になるような副作用がほとんどない麻酔です。

検査後は回復室でお休みになっていただき、体調を確認させていただいたうえで帰宅していただきます。翌日出血や発熱がなかったかどうか確認するため来院していただきます。検査の結果癌であったかどうかについては後日お伝えいたします。